●オープンキャンパスで出会った「医療事務」
高校では、ぎりぎりまで進路選択に迷っていました。看護師を目指そうかな、理・美容の世界もいいなと。そんな時、担任の先生から「高松短期大学のオープンキャンパスに行ってみたら」と勧められ、何回か見学に。そこで秘書科に医療事務コースがあるのを知って興味を持ち、進学を決めました。大学で医療事務の授業を受け始めてからは、医療制度ってこうなってるんだ、医療費はこんな計算をするんだと、自分にとって新鮮な驚きが次々に出てきて、もっともっと勉強したいと思うようになりました。
大学では、医療事務技能審査試験(医科)や日本医師会認定医療秘書、ビジネス文書検定など、さまざまな資格の取得に全力投球しました。小さいものも入れたら、10個以上は取得したと思います。「履歴書の免許・資格の欄をすべて埋めよう」という目標は達成できました。
●病院実習が決め手、「ここで働きたい」
医療事務の仕事に進む背中を最終的に押してくれたのは、短大2年時に行われた2週間の病院実習ですね。県立中央病院で受け入れていただいたんですが、職場のみなさんがとても活き活きと仕事をされていて、分からないことは優しく教えてくれました。「ここで働きたい」と心に決め、願いが叶って就職できました。
●仕事を完全クリアできた時の達成感
県立中央病院では最初の2年間、患者サポートセンターで入院される患者さんの入院前の支援業務に携わり、その後、現在の部署に配属されました。レセプト(診療報酬明細書)請求のデータ作成や、ポイントを押さえて、算定に漏れがないかどうかのチェック作業もします。月初から10日ごろまではバタバタの毎日。でも、きっちり仕上げたときの達成感は何とも言えません。また、医療DXの担当も任され、現在はマイナ保険証関係の業務にも力を入れています。患者さんをサポートする仕事も楽しかったですが、パソコンと友達になっている今も違った意味で楽しく、やりがいがあり、自分に向いていると感じています。
今、目標にしているのは「診療情報管理士」の資格取得。専門職としてカルテを管理する資格で、医療法で定められた記録がきちんとなされているか、病名の選択は適切か、など診療の中身にまで入っていくような仕事です。取得のための勉強を通じて、自分をもっと成長させたいと考えています。
*医事・経営企画課の川元功課長のコメント「すごく優秀で助かっています。レセプトのデータ作成や提出は大変重要な業務で、長く担当していたベテラン職員が退職し、後任をお願いしたんですが、まだキャリアは浅いのに安心して業務を任せられる存在です」。
●毎回ドキドキの面接練習に鍛えられました
高校時代の思い出ですか? なんといっても、担任の田所智也先生の「面接練習」ですね。短期間に10回ぐらいやったかな。とにかく熱い先生で、毎回面倒くさい(笑)、いや、すごく考えさせられる質問が出されるんです。その日はなんとかクリアできても、「次はどんな質問で攻められるんだろう」とクラスメートとドキドキしながら心の準備をしていました。でも、集中特訓のおかげで質問の意図やポイントをしっかり考えてから答えられるようになり、入試でも就職でも自信を持って面接に臨めました。
●高校時代の友人は一生の宝物
振り返ると、学校生活の中では高校時代が一番充実していました。高校生にとって勉強や部活動が大事なのはもちろんですが、クラスメートと楽しい時間を共有できることは特別な意味があると思います。今も高校の友人とは遊びに出かけたり、ごはんを食べたりしていますし、毎年開くクラス会には半数以上が集まって近況を報告し、励まし合ったり、慰め合ったり、密な関係が続いています。高校時代の友人は一生もの、と深く感じています。
(令和6年9月取材)