家庭科で「金融リスク」「資産形成」       銀行員招き授業

 今年4月から成年年齢が18歳に引き下げられたことや、新学習指導要領で今年度から高校家庭科で金融教育が強化されたのを受けて、外部講師を招いた授業を12日行い、商業科3年生がお金を借りる際の注意点、資産形成などについて学びました。

 講師は三井住友信託銀行高松支店財務相談課主任の松本悠香里さん。「いま知りたい!高校生のマネー入門」と題した講義の大要は以下のとおりです。

【お金を借りる】成年年齢の引き下げで、18歳になれば保護者の同意なしにクレジットカードを作れるようになりました。その際、特に注意してほしいのが、リボルビング払い(リボ払い)専用カード。高い手数料を支払い続けることになりかねません。一括返済との併用が可能かどうかなど、中身をしっかり確認して。

【ライフデザインとお金の管理】高校卒業後のライフデザインを描いて、どんなことに、どのくらいお金が必要かを今から考えておくことが大切。社会人になったら、月々の収支が黒字になるように留意してください。お金を適切に管理することが経済的自立への第一歩です。

【72の法則】現在の低金利では貯蓄だけでは金融資産はなかなか増えません。72の法則「72÷金利=お金が2倍になる期間」といわれるものがありますが、年利0.01%だと金融資産が2倍になるのに7200年かかり、年利3・0%だと24年という計算になります。

【リスクとリターン】お金にも働いてもらおうというのが投資ですが、そこにはリスクとリターンが表裏一体の関係で存在していることに気をつけてください。賢いお金の増やし方は①分散投資(いろいろなものに分ける)②長期投資(長い目で見て運用する)③タイミング分散(何度かに分けて投資する)-の3つです。

【人生107年】人生100年時代と言われますが、みなさんの世代は107歳まで生きる確率が50%という推計があり、長い人生を生きていくうえでお金の適切な管理がますます重要になってきます。きょうお話ししたことの一つでも覚えておいて、将来設計に生かしてください。

 取材に訪れた西日本放送とNHKから授業後に感想を聞かれた生徒は「今までお金に関する授業をほとんど受けたことがなかったので、とても参考になりました。貯蓄と投資の両方が大事だと分かりました。リスクを取りすぎずに少しずつ増やしたい」「県外に進学して一人暮らしをする予定なので、きょう教えてもらった金融商品などを気をつけながら活用したい。リボ払いには気をつけなくちゃと思いました」などと答えていました。

 同様の講義は13日にも商業科3年の別のクラスを対象に実施し、今秋には普通科1年生の家庭基礎の授業でも行われる予定です。