松下真子さん(23)三井住友信託銀行高松支店コンサルティング営業課     (令和元年度普通科進学コース卒業)

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  • ●信託銀行の幅広い業務に魅力を感じました

 同志社大学商学部を今春卒業し、三井住友信託銀行に入行しました。高校、大学の7年間は「空手で日本一」という目標とともに生きてきたので、地元に帰って就職する際、社会人としても目標を持てる仕事に就きたいと思いました。信託銀行は通常の銀行業務以外に、信託業務や不動産の売買仲介、遺言の執行など領域が幅広くて、その分、求められる資格も多いんです。資格を取得するという目標を持ちながら、人としても成長できる仕事、そこが自分に合っていると感じました。

 3カ月間の研修を終えて、7月から窓口業務に携わっています。まだまだ新米ですが、お客様一人ひとりに寄り添って、その人のニーズに合ったサービスや商品が提供できるよう心がけています。さまざまなお客様がおられて、楽しいですね。先輩方も頼りがいがあって、優しい人ばかりなので、ここに就職できて良かったと思っています。

  • ●空手との出会いは小学4年

 小さい頃は駆けっこが得意でした。父も母も実業団で活躍した陸上競技の選手だったので、DNAかもしれません。空手と出会ったのは小学4年の時。「空手をやりたい」と言い出した弟と一緒に高松中央高校のジュニア教室を見学したのがきっかけです。「楽しそう」と、たちまちとりこになりました。それからは陸上と空手の二刀流。中学時代は100㍍走で県大会決勝に残ったこともありますが、高校進学時に空手一本に絞り、崎山先生(監督)に教えてもらいたくて高松中央高校へ。陸上競技を離れることについては、両親ともに「やりたいことをやりなさい」と背中を押してくれました。

 

  • ●大けがが私を成長させてくれました

 高校1年の冬に、前十字靭帯の断裂と膝骨挫傷という大けがを負い、およそ1年間、空手の練習ができませんでした。焦りました。でも、そこで崎山先生や母から言われたのが「今がチャンスだよ」。もともと弱かった体幹をこれを機会にじっくり鍛えなさいということだったんですね。水泳と筋トレの毎日で、体幹がぐんぐん強くなり、主将として臨んだ令和元年春の全国高校選抜大会団体組手で念願の優勝を勝ち取ることができました。

 大けがをしたことで、周りの人たちの支えに気づかされ、感謝の気持ちが強くなりました。リハビリ期間は仲間の練習や試合をずっと横で見ていて、全国大会ではサポートに徹しましたが、試合に出られるようになって、サポートのありがたさがよく分かりました。主将としてチームをまとめるうえでも、けがはいい試練と経験だったと思います。崎山先生には感謝しかありません。本当に情の深い方で、けがをずっと気にかけてくれ、大学に進んでからも連絡を取り続けてくれました。

 大学では日本一はかないませんでしたが、昨年秋の鹿児島国体で香川県チームの一員として出場し、3位に入賞しました。チームメイトはみんな同期や後輩の「オール高松中央」メンバー。私にとって、これで空手を卒業しようという最後の大会だっただけに、忘れられない思い出になりました。

 

  • ●資格取得で勉強、勉強の毎日。ゴルフで息抜き

 業務に必要な資格は既に6つ取得しました。8月にはFP(ファイナンシャル・プランナー)の試験を控えています。将来は宅建の資格も取りたいと考えています。平日も休日も勉強ですね。息抜きは母に勧められて始めたゴルフ。キャリアはまだ10カ月足らずで、たまにコースに出ますが、ベストスコアは104。上達が早いといわれます。体幹を鍛えたのがよかったみたい(笑)。

 

  • ●友達とのつながりを大切にして

 高松中央高校のみなさんに伝えたいのは、高校時代の友人は一生の宝物だということ。私の在学時は他県から入学してきた生徒も多くて、ずいぶん刺激を受けました。私は生まれも育ちも高松ですが、自分の知らない経験をしてきた子、物の見方や考え方がユニークな子など、いろんな人がいるなあと。まさしく、ダイバーシティ(多様性)のある高校生活でした。

 高校3年間で勉強はもちろん大事ですが、クラスや部活でのコミュニケーションを大切にして、信頼できる友達をたくさんつくることは勉強に劣らず大切だと思います。励ましあったり、慰めあったり。卒業した今も、ずっと仲良く、心の支えになっている存在です。

               (令和6年7月取材)