卒業生のみなさんへ

 

 第75期生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

 3年間の高校生活はいかがでしたか。

 思えば、コロナとともにあった2年生までは雌伏の時だったのでしょう。コロナ禍が明けた最後の一年、みなさんは窮屈なくびきから解き放たれた鳥のように大空を駆け巡りました。

 とりわけ部活動では、校史を彩る快挙の連続でした。空手道部がインターハイ男女優勝の悲願を達成し、3年生の背中を追いかけ成長した野球部新チームは初めて四国大会に駒を進めました。吹奏楽部はカラーガードで2年連続全国の舞台を踏み、全くフィールドの異なるスポGOMI甲子園でも全国上位入賞という、二刀流の大活躍。学業や探究活動においても真摯に課題に向き合い、大きな成果を収めました。

 コロナ禍の困難に試されたみなさんが互いを支え、学習や部活動、ボランティア活動に精いっぱい取り組んだ姿を私たちは知っています。試練を乗り越え、最上級生として後輩を引っ張り、輝きを放ったみなさんに心から拍手を送ります。

「バタフライエフェクト」という言葉を聞いたことがありますか。

 一匹の蝶の羽ばたきが地球の裏側で竜巻を引き起こす―小さな変化が時間の経過とともにさまざまな要素を包含しながら、やがて大きな変化をもたらす、という意味合いです。正義がないがしろにされたり、尊い命がいとも簡単に奪われたりするこの世界のありようを、一人ひとりが好転させる可能性を持っていると読み解くこともできます。

 みなさんは今はまだ、かよわい蝶かもしれません。でも、あきらめずに、羽ばたきを続けていれば、その営為を誰かがきっと見てくれています。手を差し伸べてくれる人もいるはずです。そうした積み重ねが自らを変え、周囲を変え、この現実社会を変えることにつながるかもしれません。

 それでも、どうしてもうまくいかず、途方に暮れる日もあるでしょう。そんなときは、高松中央高校を訪ねて私たちに悩みをぶつけてください。みなさんが背負った荷物を少しでも軽くするお手伝いが私たちにはできるはずです。もちろん、うれしい報告は大歓迎。私たちはいつでもみなさんのホームカミングを待っています。

 卒業の日は、新たな人生の入り口に立つ日です。あなたがこれから進む道は、まだ誰も経験していない、あなただけの道。それぞれの舞台であなたらしさを発揮し、夢に向かって力強く歩んでください。

 みなさんの未来にエールを送り、幸多かれと祈ります。

                                                       教職員一同