卒業生のみなさんへ

 第74期生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

 みなさんの高校生活は新型コロナとともにあった3年間でした。将来、コロナの影響を最も色濃く受けた高校生として記憶される世代かもしれません。

 入学式のわずか6日後に2カ月間の臨時休校。思い描いていた高校生活のアルバムは空白のページで始まりました。修学旅行や体育祭、文化祭は中止・縮小され、部活動もさまざまな制約を受けました。

 感染の波は繰り返し押し寄せ、そのたびに、当たり前の日常が遠のき、窮屈な日常を上書きしていかなければなりませんでした。マスクをしている級友しかイメージできない。それがどれほど尋常ならざることか、それすら忘れてしまいそうな毎日でした。

 ゴールの見えないそんな日々の中でも、いや、ゴールの見えない日々だからこそ、と言えるかもしれません。困難に試されたみなさんが互いを支え、学習や部活動、ボランティア活動に精いっぱい取り組んだ姿を私たちは知っています。

 卒業式の答辞には、級友や先生、家族への感謝があふれるほどにつづられていました。助け合って試練を乗り越えてきたみなさんの成長が紡いだ言葉に違いありません。私たちの胸は熱くなりました。                                

 卒業の日は、新たな人生の入り口に立つ日でもあります。あなたがこれから進む道は、まだ誰も経験していない、あなただけの道です。それぞれの舞台であなたらしさを発揮し、夢に向かって力強く歩んでください。

 みなさんの未来に心からエールを送り、幸多かれと祈ります。

                                                      教職員一同